熱処理の種類ー主な対応内容ー

真空炉を活かし様々な熱処理を実現しています

真空熱処理

真空熱処理（Vacuum heat–treatment）とは、真空中で加熱、冷却する熱処理法をいう。真空加熱を行うことで鋼表面スケールやガスが除去され、化学的にきれいな表面肌が得られる。冷却には、輻射冷却、不活性ガス（N2・Ar・H2等）の対流冷却、ファンによる撹拌冷却などが行われる。したがって真空熱処理を行うことにより、後仕上が不要となるので、光輝熱処理のひとつに考えられて、近年大幅に実用化されている。真空熱処理炉を使用しての処理法としては、おおまかに、真空焼入・焼戻し、真空なまし、磁気焼鈍・溶体化・ろう付などがある。

金型製品・ハイス部品

ASP窒化

3Dプリンタ造形品

一般鋼種: 焼入・焼戻; 焼鈍(ナマシ); 応力除去ナマシ; 磁気抜焼鈍
ステンレス鋼 (量産部品): 焼入・焼戻; 溶体化処理; 時効硬化処理; 析出硬化処理; 応力除去ナマシ; 焼鈍(ナマシ)
その他: 銅・真鍮・ベリリウム銅等の焼鈍、サブゼロ処理、その他、特殊処理品において御相談に応じます。当社真空熱処理炉に関しましては、少量（小物等）30kgグロスより大量（大物）1000kgグロスまでの炉を19台設備してあり、どんなニーズにもお答えできますよう対処しています。また、ステンレス鋼熱処理品（量産部品）においては他社には絶対に負けない特殊真空炉（500kPa（abs）加圧冷却）を設置しておりますので、必ず御期待に添えられると確信しておりますので、是非御利用してくださいますよう、お願い申し上げます。

CVDコーティング

金型寿命を延ばす表面皮膜処理技術

CVD法とは、Chemical Vapor Deposition（化学蒸着）の略で、約1000°Cの高温炉内において混合ガスを母材の表面で化学反応させ、炭化チタン（TiC）、炭窒化チタン（TiCN）、窒化チタン（TiN）の多層で、均一な厚さの密着性を持った被膜を形成させる加工法の事を言います。耐摩擦性、耐熱性、耐腐食性が向上し、コーティングされた母材は長寿命が期待できます。

膜厚三層5〜7μm

膜厚単層6〜8μm

小型CVD装置

超硬、各種パンチ、シャフト等小型の部品金型に対応した仕様となっています。高密着性をもった耐摩耗性に優れたコーティング膜が形成されます。

大型CVD装置

お客様のニーズにお応え出来る有効寸法を確保し、マスフローガス制御により大物プレス金型をはじめとしセラミック基板、SUSメッシュにも均質な蒸着ができる仕様となっております。

1050℃加熱室への投入

CVDコーティング
TiN/TiCN/TiC（三層）コーティングの特徴

耐焼付性、耐摩耗性、耐腐食性の要求される分野、高温になる金型、ステンレスのプレス加工に適しています。

TiN/TiCN/TiC（三層）コーティングの実用例

TiC（単層）コーティングの特長

高硬度、耐摩耗性の要求される冷間鍛造、プレス金型の寿命向上に貢献しています。

TiC（単層）コーティングの実用例

アミ治具 SUS304

丸棒パイプ SUS304

・穴形状の内部にもコーティングが可能です。

プレス金型へのCVD処理応用例

適用金型	金型材質	コーティング膜種	未コーティングとの耐久寿命比	適用部品
絞りダイス φ25×20	SKD11	TiN/TiCN/TiC	30倍	ベアリングレース（SPC,2.0t）
曲げ加工 60×200×70	SKD11	TiN/TiCN/TiC	4倍	自動車部品（S15C,1.5t）
深絞りパンチ φ18×80	SKD11	TiC	10倍	化学装置配管ベローズ（SUS304,1.0t）
打抜きパンチ φ15×100	SKH55	TiN/TiCN/TiC	10倍	自動車部品（SPC,3.0t）
成形ロール φ200×100	SKD11	TiN/TiCN/TiC	20倍	窓枠（SUS304,1.0t）
シーミングロール φ60×20	超硬合金	TiC	8倍	飲料缶